マラソンの歌26号-3
　　
平成16年 2004年

	昨年１２月中旬、葛西ポノルルマラソンで大森さんに会った時のことです。１０月下旬シアトルへ一緒に行って以来でしたが、身支度をしながら「カリブ・・・・、また一緒に行かない。じゅう・・・万円ですよ。」と声をかけてくれました。私はちょっと聞き取れない部分があったが「へぇぇ、そんなに安いの、だったら年に２回と言わず３・４回行けそうですね。」と応えておきました。 　定年後年金暮らしの私は、海外マラソンはせいぜい年２回と自己規制しています。昨年海外３度目のシアトルは往復航空運賃６万円のみと言うことと、マラソンではないので全く例外のつもりです。 　翌日大森さんから「昨日はお世話様でした。申し込みを完了いたしました。Cancelする場合は12月30日以降は費用が発生します。書類は近ツリより其方に送られますので御覧下さい。出発は1月29日、帰国は2月5日となります。」とメールが来たのには、私は行くと確答したつもりはないのでびっくりしました。日程さえ初めて知ることでして・・・。 　数日後近畿日本ツーリストから書類が届いてさらにびっくりしました。これまでコムラッズマラソンにしろ昨年のスエーデンにしろ、大森さん個人の企画に乗っかって行ったので、この度も２人旅とばかり思っていて、大森さんがツアーを利用するなどとは思いも寄らずびっくりしたのはさておき、マラソンとは全然関係ないのには、全くの予想外で本当にびっくりしました。ツアーについて大森さんは、ツアーの方が安い場合があってよく利用するとのことでしたが・・・。 　書類に目を通すと、３泊４日のクルージングがメインです。豪華客船によるクルージングは一度は乗ってみたいと思っていたことだし、確かに最低の旅行代金が９９,８００円とあるのでまあいいかと行く気になったのですが・・・。 　来るものと思っていた請求書が一向に来ません。１月２５日館山マラソンで会って聞いてみると、大森さんも心外だったようですが、大森さんのクレジットから２人分引き落とされたとのことでした。が、精算は帰国後で結構と言うことになり、私が費用の明細を見たのは出発日に待ち合わせて乗った京成電鉄の車中でした。 　いい加減と言えばいい加減ですが、大森さんとはこれまでにけちけち旅行の実績があり、私の懐具合が分かっていると思うので任せていて平気です。事実空港使用料２,０４０円・海外空港税８,０００円・寄港税１９,０００円などが加算され、別途窓のない部屋ではということで海の見える部屋に換えた、オプション代８,５００円が加わり、１３７,３４０円が１人当たりの費用でした。旅慣れない私には心積もりにくるいが生じて、最低料金の表示に騙された感がしないではなかったのですが・・・。 　ともあれ、このところ激しい運動をしたときに出やすいという、血尿が慢性化したようで癒しの旅に格好な機会として、だからこそ、せっかく行くのだから楽しい旅にしたいと、旅の始まりに気づいた誤算などは忘れることにしました。その後の様子は歌と写真でご覧頂くことにしましょう。ま、往復のデルタ航空は機内のアルコールが有料なのが不満だったのですが・・・。
	血尿は慢性らしきわが体ジョギングさへも過激となりて 衰へし体を癒す旅としてわれは定めてカリブ海クルージング 豪華なる設備のホテルにわれのゐるかすかに揺れて船とこそ知れ 豪華なる客船なれどもソブリン号インターネットは文字化けをせり 一回のホーマルタイムのお仕着せに煩はしくもスーツ持ち来ぬ 徘徊と称して船内われ巡るサロン劇場何処も賑はふ 船内の食べ物飲み物ただなれどわれの好みの酒は有料 欠かすなく日課のジョギングわれの為す風雨激しき舳先を回り 七階のデッキがジョギングコースにて一周およそ四百メートル 訪れしバハマの国の酒を買ふラム酒は原料砂糖にて甘し 船主の私有地といふ島に寄るピストン輸送のボートに乗りて スコールに慌ただしくも退散す残れば永住船の来るまで 辿り行く宇宙センター車窓より湿地にワニの棲息が見ゆ 五分間ヘリコプターにて鳥瞰す緑の中に街は拡がる 鳥瞰すヘリコプターにて五分間緑豊も耕地は見えず 妻の父親の訃報をわれの聞くアメリカ旅行の帰国の前夜 百歳を越えて往生の妻の父妻との暮らしも三十八年 海水泳為して帰国を雪の積む女房の里へ葬儀に向かふ

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